仏教の世界では、「聖道門仏教」と呼ばれる学びと、「浄土門仏教」と呼ばれる、二つの道があります。
<聖道門仏教>
厳しい修行を積んで、深く学ぶことで、煩悩や欲求(註)の誘惑に解き放たれた心で、ひたすら仏の導きにしたがって生きられるようになろう(悟りを得よう)というものです。これを「自力」による救済といいます。
このようにして悟りを得た人たちを聖者(しょうじゃ)といいますが、私たちのような普通の人間にはできるものではありません。「自力」には限界があります。
(註)煩悩 : 必要以上の過剰な欲望 )
欲求 : 社会・組織・自分の中に潜む、意味のない迷信・常識意識
<浄土門仏教>
私たちのような、普通の人間は、神さま(仏さま)の慈愛の真理と絶対があり、その真理と絶対が「私」の上にはたらいていることを感じ、これを信じるより他はありません。これを「他力」による救済といいます。