【 ※ 山村宗純の解説(2) 】
この「 意識 」は、生物脳の外からは観測できません。
なぜでしょう。
◆ 生物脳では、アナログな時間の制御の中で、生物脳自身の内部から「自己監視・自己認識 」しています。
生物脳自体は、自身の内部から観測しているので、
「認識装置外部からの入力」と「認識装置自身の神経細胞からのフィードバックの入力」
をそれぞれ「別ものだ」認識することができます。
こうやって「認識装置自身の神経細胞からのフィードバックの入力」を認識します。
これが「 意識 」です。
この生物脳を「普遍的に観測する」ためには「脳の外部から観測」する方法しかありません。
脳外部からの観測では、記録できるのは脳出力データのみです。
「認識装置外部からの入力」も ──
「 意識 」に相当する「認識装置自身の神経細胞からのフィードバックの入力」は、観測という手法では観測できません。
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「 意識 」を科学的に見つけることができない理由は、脳を内部から観測しない限り観測できないこのフィードバック入力を観測する手段が成立しない、ためです。
つまり、「 意識 」を科学の対象とすること自体が破たんしているのです。
が、科学者は涙ぐましい努力を続けています。
※ それについては「意識のハード・プロブレム」をインターネットで検索してみてください。
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余談ですが、現状の脳科学の世界では、
アナログな時刻推移の中で、脳がどうやって論理的な思考を組み立てることができるのか、解明できていません。
それがため人間たちは、電子計算機を構築する際、「ディジタルクロック制御で処理を実現する」方法を使いました。
全ての人工頭脳は、前後に完全に独立したディジタルクロックの時間的配列で制御されています。
タイムスリット1(=今)処理の入力は、タイムスリット0(=過去)以前に蓄積されているデータを活用するように設計されています。
もし、タイムスリット1(=今)処理にタイムスリット1(=今)の出力を同時にフィードバックさせると、一体なにが起こるのでしょう? 少なくとも、これでは人類たちに処理構造を設計することは不可能です。
つまり、人工頭脳には「 今 」を認識できない = 「 意識 」を理解できない のです。
脳が「 意識 」を持つためには「 今 」を認識することが不可欠です。
当面は、「 今 」を認識できる人工頭脳ができあがる見込みはありません。
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